気がつけば、いわゆるライトノベルと呼ばれる物を読まなくなっていた。
積極的に読んでいたのは7~8年前。それから3年ほど惰性で読み続け、後はお気に入りのシリーズに続刊ないし完結巻が出れば購読するのみ。新規開拓そのものは5年近く行っていない事になる。
アニメも、まともに見なくなって久しい。
じゃあ自分はラノベやアニメを卒業したのかと言われると、どうしても違和感を否めない。卒業したとか見限ったという立派なものではなく
『ついていけなくなった』
というのが自分自身の中にある感覚だろうか。
刊行ペースに。挿絵の傾向に。物語の種類に。物量に。流行とされる作品のジャンルに。とにかく、ついていけない。
ラノベの揃えが多少良い本屋に赴き、並んだ表紙を眺めてみるとヒロインと思しき美少女が媚びてるのか格好つけているのか読者にアピールする構図ばかりが目に付く。
まるでアダルトビデオのパッケージのようだ。
歴史に残るような傑作も、あの本の海には眠っているのだろう。だが今の自分には、その海をかきわけてまで探そうという気力はない。誰かが「これは名作だ」と褒め称え、立派な書評がでたらその書評だけを眺めて「こんな本があるのだな」で済ませるのが精一杯。もっとも現状では、その書評にすらついていけなくなっている。
そういう物語の氾濫に対する嫌気というものが今の自分にはあるのかもしれない。