最終章〜それもまた当たり前の日々  エピローグ  県立犬上北高校に村上文彦が現れたのは、夏休みが終わって数日が経過した後だった。 「えー、中途半端な時期ではあるが編入生を紹介する」 『佐久間千秋です、よろしくゥ!』 「……」  エルフ耳だ。  えるふ耳だよ。  エルフ耳の女の子が転校生だよ。  やけにハイテンションな転校生にどよめく教室の中で、文彦ただ一人だけが机の上で突っ伏して力尽きていた。